新築の戸建てであっても、やがて寿命を迎えてしまいます。耐用年数を過ぎて放置していると、場合によっては危険な目に遭ってしまうかもしれません。そのため、戸建てが寿命を迎えそうな時は引っ越しをしたり、リフォームをしたりして寿命を伸ばすことが重要です。

この記事では、戸建ての寿命とはなにか、寿命を伸ばすリフォーム案などをご紹介します。

◆戸建ての寿命とは

戸建てをはじめとして、さまざまな物件にはそれぞれ寿命があるとされています。どれだけ新築の戸建てであっても、時が経つにつれてそこかしこで腐食や劣化が見受けられるようになるのも事実です。

時間が経つにつれて、戸建ての寿命がどのような変化を迎えるのかご紹介します。

<見た目>

何よりも大きなポイントは外観を含めた見た目です。「外壁が剥がれている」「ベランダがひび割れている」など、築5年~10年ほど経つといくつかの箇所は経年劣化していきます。特に、外壁の剥がれ等を放置していると腐食の原因になるため、小さな汚れや破損は素早く修繕することが大切です。

<機能性>

キッチンや浴室をはじめ、築10年~15年ほどになると水回り設備に不具合が起こるとされています。また、湿気がこもりやすい浴室は設備の劣化も起こりやすく、「戸建てそのものの寿命」というよりは、「利用している設備の寿命」も考える必要があります。

設備に不具合が起きていなくても、設備の腐食で知らないうちに異常が発生していることもあります。そのため、15年が経過したら設備面のメンテナンスは避けられないでしょう。

<耐震性>

まったくメンテナンスをしていない木造建築は、築20年もすると耐震性の劣化が見られます。また、細かいリフォームや修繕を重ねている戸建てでも、古い物件では「耐震性に対する法改正の基準を満たしていない」といったケースも。

日本は世界有数の地震大国であるため、常に耐震性に気を配らなければなりません。免震構造などさまざまな工夫を取り入れた物件にお住まいの場合は、耐震設備に劣化が見られないか注視する必要があります。

<構造>

戸建ての寿命を伸ばすために破損部分を細かく修繕していても、最終的には構造上の問題で戸建てが寿命を迎えるケースがあります。構造上の問題とは、建物の基幹となる部分に劣化が見られたり、住民の高齢化による間取りの改善が必要になったりするケースです。

そのため、新築から30年ほど経過した段階で、戸建てとしての寿命をある程度迎えている計算になります。構造的に問題を抱えると細かい修繕だけでは対応のしようがなく、フルリフォームが必要になってしまいます。

◆戸建ての寿命と法定耐用年数の違いとは

戸建ての寿命は見た目や耐震性、機能性といった面の見劣りが上げられますが、耐用年数とは異なります。耐用年数とは「減価償却資産の耐用年数」という考えで、税務上によって定められた資産価値による寿命の1つです。

耐用年数の例では、「木造建築が22年」、「鉄骨鉄筋/鉄筋コンクリート造で47年」といった具合に定められています。ここ宮古島を含む沖縄全域では台風が多いため、安全性を加味して鉄筋コンクリート造(RC造)の戸建て物件が多いです。

言い換えれば、戸建ての見た目や機能性にいくつか見劣りがあっても、資産価値的な寿命は47年ほど持つ可能性もあります。

<実際は数年に1度のメンテンナンスが必要不可欠>

「減価償却資産の耐用年数」はあくまで経年劣化具合等における資産価値を表したもの。そのため、住居として人が快適かつ安全に住める指標、という訳でもありません。外壁や細かい腐食が目立ち始めるほか、住居内の設備にも不具合が起き始める点から、基本的には数年に一度のメンテナンスは必要不可欠だとされています。

さらに、まったく手入れをせずに耐用年数を過ぎた物件は改築レベルの見直しが必要になることも。「沖縄に多いRC造なら47年は大丈夫!」という考え方ではなく、あくまで耐用年数は資産価値的参考の1つにとどめ、数年に1度は細かい修繕を挟むことをおすすめします。

◆既存住宅をリフォームするとコスパに優れている?

外観や設備などの内外装を修繕していくだけでは、戸建ての根本的な寿命を伸ばすことには繋がりません。築20年から30年が経過すると、最終的にはフルリフォームをしたほうが良いとされることも多いです。

全体をリフォームすることによって、細かい修繕を積み重ねるよりも結果として安上がりになる場合もあります。その際、現在お住まいの住居が比較的築浅物件で、かつ、高齢化に伴う間取りの変更などフルリフォームを考えている場合は、中古物件の購入からリフォームを進めるとコストパフォーマンスに優れている場合があります。

<中古物件の購入からリフォームも選択肢の1つ>

日本人には「住居は新築を建てるもの」といった価値観がどことなく浸透していますが、海外では「古いものをリフォームして再利用しよう」といった働きが多いです。実のところ、アメリカでは80%近くの人が中古物件を選択しており、一方日本では中古物件が溢れています。

そのため、日本政府が中古物件の市場を活性化させるべく、リフォームに限定していくつかの助成金を出していることをご存知でしょうか。場合によっては数百万の助成金や税金控除を得られることも多く、中古物件をリフォームすることで結果的に安上がりになるケースも多いのです。

その際、現在お住まいの住居の築年数によっては既存の物件を売却して、めぼしい中古物件をリフォームすることで総合的にコストパフォーマンスに優れた物件を手に入れられる場合もあります。

費用面だけを考えれば、中古物件からリフォームに適した物件を探し、さらに助成金などを活用することで総合的に安いコストで済む方法も選択肢の一つとして検討してみるのも良いでしょう。

いずれにしましても、理想の住まいを求めつつも、その土地の自然・風土・文化の中での「暮らしやすさ」を基準に考えていくことをオススメします。リフォームを前提とした中古物件をお探しであれば、是非とも住宅情報センターまでお問い合わせください。