近年、テナント不足の宮古島。コロナ以前から新規事業の出店が相次ぎ、お客様に良い物件を紹介したいのですが、テナントが足りていないのが現状です。ですが現在、先の見えない時代でもあり、同時に新築中のテナント物件も複数あるため、タイミングによっては好立地のテナントが出る可能性もあります。

そこで、新しく店舗を構える選択肢の一つとして居抜き物件について説明いたします。事業を立ち上げるにはテナントを借りる、もしくは、施設を建築するに加えて、厨房設備や家具などさまざまな設備が必要です。そこで、「居抜き物件」を利用して設備の準備コストを抑えようとする方は少なくありません。

この記事では、居抜き物件とはなにか、居抜き物件にかかる契約費用などの目安や、居抜き物件のメリット・デメリットについてご紹介します。

居抜き物件とは

居抜き物件とは、以前の所有者が厨房設備や家具、什器備品などを残して売却する物件のことです。テナントとして運用された過去から、店舗運営に必要な内装がある程度残されています。

実際の設備具合は居抜き物件ごとに異なるものの、ほとんどの設備が揃っているケースから、テーブルやトイレなどの一部のみが残っているタイプまでさまざまです。

居抜き物件の権利はさまざま

居抜き物件には、「前の借り主(設備の元所有者)」「管理会社(テナントの貸主)」「次の借り主(新しいオーナー)」が関わりを持ちます。通常であれば、居抜き物件として譲渡売買する際に、前の借り主が所有していた設備の所有権は管理会社へ移ることが一般的です。

しかし、”設備の買取”が必要であったり、無料で利用できたりと実際の権利関係は居抜き物件によって異なります。そのため、居抜き物件を利用する際は契約内容をしっかりと確認する必要があります。

居抜き物件にかかる契約費用の目安

居抜き物件では以前の所有者が各設備を残しているため、同業の居抜き物件をテナントとして利用すれば設備の準備費を抑えられます。事業に関わる資金繰りを行いやすくなるものの、賃貸契約時には設備の権利も含めた契約費用が必要です。

一般的に、居抜き物件の賃貸契約では、家賃2~6ヶ月分の保証金が求められます。設備の購入費を抑えられる一方で、賃貸契約にまとまった費用が求められるため、事前の資金計画が重要になっています。

備品や設備にリース品が紛れ込んでいないか要注意

備品や設備が残っていることで新品を購入する費用を浮かせられると考えていたら、「実は残っていた設備の一部がリース品だった」というケースもあります。

前のオーナーが購入したものか、あるいはリース品なのかをしっかり確認しておかなければ、追加のレンタル料を請求されるなどトラブルになる場合もあるのです。

予期せぬ出費が重なってしまうケースもあるため、居抜き物件を契約するときは既存設備についても契約内容を確認することが大切です。

居抜き物件のメリット・デメリット

通常はテナントから退去するときに配管・配線なども含む撤去工事を行う原状回復が必要です。しかし、居抜き物件なら撤去工事の一部を行わずに済むため、解体費用を抑えられます。そのため、近年では”居抜き物件”としてテナントを売り払う事業者も増えつつあるのも事実です。

そんな居抜き物件を利用するメリット・デメリットについてご紹介します。

居抜き物件のメリット

居抜き物件には、「店舗を売りたい前オーナー」「同業店舗を出したい新オーナー」のそれぞれにメリットがあります。居抜き物件は原状回復の義務がなくなるため、前オーナーは設備の解体工事に掛かる費用を抑えることが可能です。

また、新オーナーにとっても設備の購入費用を浮かせられるほか、最低限の工事・設備拡充で済むため、店舗開店までの期間を短縮できます。結果として、スムーズな投資回収を行いやすい点がメリットです。

居抜き物件のデメリット

居抜き物件のデメリットは、前オーナーと現オーナーが同業者でなければ、総合的な費用がかさんでしまう点です。たとえば、飲食店同士で居抜き物件として引き渡しする場合、各設備もある程度の流用ができます。

一方で、後に契約した事業者が前オーナーとまったく異なる事業を展開する場合、いくつかの設備が不要になったり、流用ができなかったりするため、解体工事の費用が必要になります。

各設備を抜いた”スケルトン物件”なら、不要な設備類は一切存在しないため、後の入居した事業者が不要な解体費用を支払う必要もありません。

居抜き物件を利用するときの注意点

居抜き物件を利用する際は、いくつかの注意点に気を配る必要があります。代表的な注意点は「設備の劣化にまつわるトラブル」「テナントに根付くお客のイメージ」などが挙げられます。

設備の劣化にまつわるトラブル

設備の劣化は争点になりやすく、取引終了後にいざ店舗運営を始めてみると「水漏れが発生した」「設備の状態が悪い」など、改めて工事や新しく設備を買い換えるケースがあります。設備の劣化トラブルに巻き込まれないためにも、事前の調査は必要不可欠です。

テナントに根付くお客のイメージ

同業者の居抜き物件だからこそ、そのテナントに根付く周辺客のイメージを引きずってしまう場合があります。外観・内装ともに似通うことで、店舗への印象が良くも悪くも定着したままになってしまうのです。

居抜き物件を利用する際は、新規店舗としてのオリジナリティを伝えてイメージを払拭する必要があります。

居抜き物件を利用するときはしっかり現地を確認しよう

居抜き物件は、前のオーナーがいくつかの設備を残している物件です。原状回復の義務を回避して解体工事費用を抑えられるため、撤去等に掛かるコストも安くなります。

また、新しい契約者が前のオーナーが残した設備を利用でき、結果として開店費用などを浮かせられるメリットがあります。一方で、事業がまったくミスマッチですと、新しい契約者が解体費用を支払う必要があったり、設備がリース品の場合には使用料を支払う必要があったり、経年劣化による修理が発生したりとデメリットがあるのも事実です。

居抜き物件を利用するときは、しっかりと現地を確認して自身の事業計画と合っているかチェックしましょう。場合によっては、設備等を一切残していないスケルトン物件も選択肢にあがります。事業をお考えの方は、今後の物件の動きや立地の相談など、一度、弊社スタッフにお声がけください。私たち住宅情報センター宮古島店は事業を応援すべく適切な情報を提供いたします。