引っ越しをするとき、初期費用としてネックになるのが「敷金・礼金」の存在です。「なぜこんなに大金を支払わなければいけないの?」と頭を悩ませる人も少なくありません。

この記事では、そんな敷金・礼金の意味や違いについて、わかりやすく解説します。敷金・礼金の必要性について、近年の風潮も解説しますのであわせてご参照ください。

敷金・礼金とは?違いについて

賃貸物件などを探しているとき、必ず目にするのは「敷金・礼金」といった言葉です。賃貸契約を結ぶときに初期費用が大きくかさみ、「気に入った物件があったけれど資金が足りないな」と泣く泣く契約を見送った方もいるかもしれません。

そもそも、敷金と礼金とはいったいどのようなものでしょうか。それぞれの違いについて解説します。

敷金とは

敷金とは、賃貸契約を通して管理会社に損害を与えた際、差し引く担保として預けておくお金のことです。契約期間中にも関わらず家賃の支払いが遅れるなどの損害を与えると、あらかじめ預けた「敷金」から引き落とされる仕組みです。

賃貸契約が終了すれば敷金は戻ってきますが、床や壁紙のキズなど、賃貸借契約で発生した債務と差し引かれるため、借り主と貸し主間でトラブルの原因になってしまうケースも少なくありませんでした。しかし、2020年の改正民法適用により近年では敷金を預かるケースが少なくなり、敷金ゼロで借りられる賃貸物件も増えつつあります。

礼金とは

礼金とは、文字通り部屋を貸し出してくれる大家さんに対して、お礼の意味で支払うお金のことです。一昔前では、はじめての一人暮らしをする子どもの面倒を見てくれとのニュアンスで、親御さんが支払うケースも度々見かけられました。

貸し出してくれたことに対するお礼のため、敷金とは違って礼金は返却されません。住宅が不足していた時代の名残ともいえますが、近年では借り手の方が減少気味です。いわば、礼金を支払う慣習だけが残ったと言えるでしょう。

住宅が余り気味になりつつある現状では、礼金ゼロで借りられる賃貸物件も増えつつあります。

敷金・礼金の費用相場

敷金・礼金の費用相場は、それぞれ家賃1ヶ月ほどとされています。大家さんの意向や賃貸物件によっては、稀に家賃2ヶ月前後の敷金・礼金が必要になるケースも少なくありません。

敷金と礼金の費用はそれぞれ異なるため、ひとつの賃貸物件と契約するときに「敷金1ヶ月分/礼金2ヶ月分」と異なる費用感を請求される物件もあります。

しかし、近年では契約したい借り手の数よりも、貸し出される賃貸物件数が多く、物件が飽和気味です。そのため、少しでも多くの人が契約してくれるよう、敷金・礼金の相場が下がりつつあります。

ゼロゼロ物件とは

近年では敷金・礼金が共に不要な「ゼロゼロ物件」が注目を集めています。ゼロゼロ物件では初期費用を抑えられるため、少しでも安く物件を借りたい方に人気です。

先述した通り、現在は借り手よりも貸し物件の方が多くなっており、賃貸の数が飽和状態にあります。そのため、大家さんや不動産管理会社からしても、借り手が早く見つかりやすいメリットもあり、ゼロゼロ物件の導入が進んでいます。

一方で、敷金や礼金が共にゼロ円でも、別途部屋のクリーニング代などが請求されるケースも。あくまでゼロゼロ物件は敷金・礼金の支払いがないだけで、ほかの部分で初期費用が掛かる可能性にご注意ください。

敷金・礼金を支払うタイミング

敷金や礼金が必要な賃貸物件では、入居前の賃貸契約を行う際に支払うのが一般的です。しかし、ゼロゼロ物件以外で敷金・礼金が必要な場合、「どうしても初期費用が払えない」と頭を悩ませる人も少なくないでしょう。

クレジットカード払い対応の物件が見つかれば、分割払いなどで初期費用の負担を大きく削減できますが、ほとんどの物件は現金払いのみに限定されている場合が多いです。

一般的な初期費用である敷金・礼金の違いはご理解いただけたでしょうか。物件によって様々ではありますが、意味を知らずに支払うよりも理解したうえで契約を考える方が、先の退去も踏まえた選択が広がるはずです。

契約につきましてご不明な点などございましたら、お気軽に当社スタッフまでお声がけください。