新型コロナウィルスの猛威は、離島の宮古島まで影響を及ぼしています。日に日に変わる状況の中、不要な外出を避けるのはもちろんのこと、自分の部屋ではどのような対策ができるのでしょうか?今回は、室内における換気と消毒についてまとめてみました。

◆まずは3つの密を避けること

もうすでにご存じの方も多いとは思いますが「3密」とは、換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面のことです。 外出時には、この3つの条件が重なる場は絶対に避け、たとえ3つの密が重ならない場合でも、リスクを低減するため、できる限り「ゼロ密」を目指しましょう。

◆外出から戻って自分の部屋でできる重要な対策は?

しっかりと手洗いうがいはもちろんの事、それに加えてシンプルで効果的なのは換気です。窓を開けて室内の空気を入れ替えることは室内の汚染物質を追い出したり薄めたりする効果があります。空気中のほこりに含まれる目に見えない有害な雑菌、カビなどを一掃しましょう。

近年(2003年7月以降)の新築物件では改正建築基準法により、シックハウス症候群の予防のため24時間換気が義務化されています。

24時間換気システムのある物件であれば、十分に換気ができているかと言いますとそれは難しいです。24時間換気システムは、建築基準法によると「1時間で部屋全体の空気の半分以上が入れ換わっていることが必要である」と定められています。法改正以前の物件ではさらに難しいことが分かります。

ですので、どの物件でも窓を開けて室内の空気を入れ替えることが、シンプルかつ効果的な対策だと言えるのです。

◆換気はどのレベルで行えばよいでしょうか?

換気を行う目安として、1日に1~2回は、または、1日に1~2時間など曖昧な部分が多いようです。日本建築学会や空気調和・衛生工学会では、換気についてこう述べています。

「よく間違えられるのが、換気回数という用語です。換気回数 2 回/時は1時間に2度窓を開けることと誤解されていることがあります。換気回数とは1時間に部屋に入る外気量(立米)を室容積(立米)で割ったものです。換気回数は室内の空気の入れ替わりのスピードを表す指標です。つまり換気回数が大きいほど、汚れた室内の空気を外気で希釈し、速く入れ替えることができます。」

ですので、部屋の広さや窓の数、換気口によってもだいぶ異なり、1日何回という基準は図れないことを認識しておきましょう。ポイントはただ窓を開けるだけでなく、空気の流れを作ってあげることです。

さらには、

  • 通常の家庭用エアコンやパッケージエアコンは空気を循環させるだけで、換気を行っていない
  • エアコンを ON にしたから大丈夫という訳ではない
  • エアコンだけの部屋では窓開け換気や設置されている場合には換気システムの運転を推奨
  • 空気清浄機は部屋全体に対して新型コロナウイルス対策に充分効果があるかどうかは不明

とも記されています。このように、換気に関する情報を理解し、ポイントを押さえることはウイルス対策だけでなく、これから始まる梅雨の季節にも大いに役立つでしょう。

参考データ:換気 – 日本建築学会

◆換気だけでなく消毒もしっかりと!

手洗い、うがい、マスクの着用などこれまでになく徹底されている方が多いことから、毎年大流行するインフルエンザも過去10年間で最も少ないと報告されています。

消毒に関しては、アルコールや次亜塩素酸水を用いる場合がほとんどでしょう。厚生労働省によると、コロナウィルスは手から口や鼻という経路で感染するとしています。ですので、部屋の中で手指がよく触れる場所を消毒することが最善です。

【主な消毒場所一覧】

居間や食事部屋は、ドアノブ、窓の取っ手、照明のスイッチ、ソファー、テーブル、椅子、電話機、コンピューターのキーボードとマウス、小児玩具、壁、床等。

台所・トイレ等は、水道の蛇口、シャワーヘッド、洗面器、ドアノブ、窓の取っ手、照明スイッチ、浴槽、 排水溝、水洗便器と流水レバー、便座とフタ、汚物入れ、壁、床等。

衣類・寝具は、通常の洗濯機で問題ないと言われていますが、気になる場合には、熱湯消毒(80℃、10分以上)してから洗濯機にかけます。

アパート・マンションなど共同住宅で注意したいのは、エレベーターです。密閉、密集、密接の条件が重なる空間でもあります。乗り合わせた人の飛沫、さらにはボタンは多くの人が触れる箇所でもあり、消毒されているかどうかも分からないため注意が必要です。

※ウイルスの残存期間は、現時点では不明とされています。

◆まとめ

このように注意点を理解しながら、外でも室内でも対策することはとても大切です。先の見えない時期ではありますが、常に危機感を持つことが重要だと思います。シンプルで効果的な方法を紹介させていただきましたので、是非とも一人ひとりができることから始めてみましょう。

参考サイト:首相官邸厚生労働省