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宮古島では海岸線近くの家が人気!?これから建てるなら『塩害』についてリスクを考えて対策を!
宮古島と言えば海!絶景スポットに家を構えたいという憧れをもって移住されてくる方も近年多くなっています。海辺に家…映画みたいで素敵ですね!
ですが、建物にとって非常に厳しい環境に置かれるという理解をして設計しないととんでもない被害にあうことがあります。宮古島において最も住宅に影響を与えるのがこの『塩害』です。
宮古島は総面積約159.2 k㎡の小さな島。360度見渡す限り海なのですから、塩害とは切っても切れず、沿岸区域だけでなく、基本的には塩害対策は必須です!
◆塩害による被害は大きく分けて3つ
住宅においての塩害は多々ありますが、とりわけ大きい被害となるのは
- ・錆(サビ)
- ・ガラスなどのくもり
- ・破壊・崩壊
が挙げられます。
錆(サビ)
塩害と聞いてあなたがまず思い浮かぶのは錆(サビ)ではないでしょうか。そんなのどこでもあるじゃない!というほどわかりやすい劣化現象なのですが、海風が通り抜ける島だけにそのスピードと影響は計り知れません。
海水はもともと塩分を含んでいます。その塩分を含んだ水が蒸発したり塩気をまとった空気が、建物などに付着して、その塩分の影響で劣化を早めます。これが塩害です。
屋根・外壁・玄関ドア・アルミサッシなど、建物に付着することで、腐食を進行させてサビ・建物の劣化を促進させてしまいます。
さらに、塩害とは、電気機器の表面や内部機器に対して、塩分を含む風や雨、汚れなどが侵入し、腐食や錆が発生します。塩害によって盤類の表面がサビてしまうと、電気機器の絶縁が劣化するだけでなく、劣化部から塩分を含む外気や水分、虫などが入り込み、さらに腐食が進行することも。
塩害対策の有無と海岸からの距離の関係
沿岸部に近い場所に計画する場合、海から到達する塩分による影響を大きく受けるので、表面塗装を塩害対応品にしたり、内部に塩分が付着しないような対策を施し、サビに備える必要があります。
- ・岩礁隣接地域:直接波しぶきがあたる場所
- ・重塩害地域:海岸から200m~500m以内
- ・塩害地域:海岸から2km以内
距離の目安としては上記の項目とされていますが、塩害地域に関しては、宮古島の平らな地形や特に面積から考えて標準以上に広く見積もっておくべきですね。
家屋だけでなく、車やバイク、エアコンの室外機などの大きなものから、常に屋外にさらされている給湯器や蛇口、ポストなどもその対象となります。車を購入し、長く乗られる際は「塩害対策はできているか」を確認してから購入することをお勧めします。
ガラスなどのくもり
海辺から近い地域は、特に夏場になると海水が蒸発した塩が風に乗って吹きます。その塩分が付着するとベタベタし、そのベタベタに砂やほこりが付きやすく汚れやすくなります。
放置していると窓の視界が悪くなるだけでなく、サッシなどの周辺の部品も腐食していく原因となります。定期的に水で洗い流し、ホームセンターなどに売っているコーティング剤を塗布するなどの対策が必要となります。
破壊・崩壊
大げさに思われるかもしれませんが、あなたも身近に見ていませんか?無人家屋が崩れているところを。これは錆や経年劣化から起きているのもありますが、それらすべては塩害がそのスピードを速めているのです。
錆についてのところでもお話ししましたが、室外にある給湯器や室外機などは金属なのでどうしても錆で故障しがち。そしてそれに面している家屋部分にもその浸食は進みます。
その浸食部分から雨水や塩分が入り込むことで木材や金具などの腐食が進み、鉄骨などの主要構造部分が錆で膨張し、壁面に使用していたコンクリートが破裂して外壁にひびが入る…そしてボロボロと崩れ落ちていくという可能性が大きいのです。
◆これから家を建てるのに塩害対策ってどうすればいいの?
屋根、外壁を放置しておくと建物の劣化により長く住めなくなってしまいます。そのためには家屋のメンテナンスが欠かせません。例えば地域によっては塗料の耐用年数にも違いが出てきます。
- ・市街地:10~15年
- ・海沿い:5~8年
このように、沿岸地域は潮風の影響で塗料の耐用年数も短くなってしまいメンテナンスのサイクルが非常に短くなります。メンテナンスのサイクルが短くなるということは単純に費用もかさんできますし、それを怠ると建物の劣化が進み弊害が生まれ、さらに費用がかさみます。
新築する際は外壁には樹脂サイディング※(塩化ビニル系)などの外壁材を使用するなど、リフォームする際には張替えの検討材料の一つとして施工業者さんと綿密に相談してください。
※【サイディング】板状の外装材を壁に貼り付けていくやり方です。工場で生産されるため、品質が安定していて値段もお手頃です。ちなみに、樹脂サイディングには顔料(着色料)が加えられているものが多く、塩害による色落ちなどがしにくいという特徴もあり、レンガ上のものや漆喰塗り風なもの、木目調のものなど種類も豊富で、エントランスだけ木目調でアクセントに…なんてことも可能です。