不動産の紹介などを見ていると、ポイントとして「南向き」や「東向き」というように建物の向きが記載されていることが多いでしょう。しかし、あまり「西向き」や「北向き」というような記載がされていることはありません。では、住居の向きはどのような違いがあるのでしょうか。

◆南向き・東向きが人気の理由

それではまず、南向きや東向きの住宅が人気になることが多い理由について紹介します。これについては日光の向きが大きなポイントとなっています。太陽は東の空から上り、南側の上空を通過して西側に沈みます。そのため、東側と南側を向いているということは朝と昼に採光率が高くなるという意味があります。

主に午前中から正午にかけて日当たりが良くなることによって、室内の日照時間が長くなり、部屋を暖めやすくなるため、冬場でも暖房の必要性が下がるなどのメリットが考えられます。

◆北向きが不人気な理由

太陽が上記のような動きをするため、北向きの住宅が人気が出にくい理由は分かりやすいでしょう。1年を通して太陽が北側の空を通過することはないため、窓が北を向いていると採光の効果が低くなってしまいます。

室内に光が当たらない時間がながくなってしまうため、どうしても湿気がこもりやすくなり、夏にはカビなどの問題が発生しやすくなります。また、光が足りないために室内が寒くなりやすいため、特に寒冷地においては暖房の必要性が高くなってしまうのもデメリットです。

◆それでは西向きは?

こうなると一つの疑問となるのが、何故西向きが東向きや南向きのように人気がないのか?という点です。太陽は沈む前には西側を通過することになるため、夕方の時間になれば西向き住宅にも十分な日が差し込むことになります。

しかし、夕方の時間帯の日差しというのは「西日」と呼ばれることが多く、あまりメリットとして扱われない傾向があります。特に沖縄の西日はかなり強く、むしろ眩しいということで、デメリットとして扱われてしまうことすらあります。冬場に関しては夕方まで日差しが入るため、比較的温かさを維持し易いというメリットもあります。

◆西向きでの快適な生活

それでは、西向きの建物では快適な生活ができないのか?というと必ずしもそうではありません。西向きのマンションであっても、生活の仕方さえ考えれば十分快適な生活が可能です。断熱効果の高い窓などを採用することで、温度の問題を解決できるためです。

このように、窓の向きというのは住宅の使い勝手にも影響を与えます。住まい選びの1つのポイントとしましょう。