自然災害に見舞われてしまうことの多い日本では、震災対策が必要不可欠です。そこで、近年では防災・減災に向けたリフォームが注目を集めています。震災事態の被害を軽減する仕組みから、震災後の生活を守るための工夫まで、もしもの備えがきちんとできているか確認しておきましょう

この記事では、防災・減災リフォームとはなにか、災害時に起こりやすいトラブルや、防災・減災に役立つリフォームの取り組み事例をご紹介します。

日本は自然災害に遭遇するリスクが高い

自然には、台風や浸水、地震や火山噴火まで、さまざまな災害が存在します。特に、日本は災害大国ともされており、世界的に見ても自然災害に遭遇するリスクが高いのも事実です。

たとえば、国際連合大学の「World Risk Report 2018」によると、世界主要国のなかでもっとも自然災害に遭遇しやすい国が日本とされています。

さらに、ここ宮古島は360°海に囲まれているため、島外への避難も難しく、救援物資が届かないなども想定されます。

自然災害に遭遇してしまうことを前提に、万が一の震災被害を軽減するため、近年では防災・減災リフォームが注目を集めています。

防災・減災リフォームとは

防災・減災リフォームとは、災害時、災害後を見据えてマイホームにさまざまな設備を備えるリフォームを指します。ハウスメーカーごとにどのような防災・減災リフォームを行うかは定まっていないものの、そのほとんどは災害から家族を守るため生存率を引き上げるリフォームです。

「地震で倒壊は避けられたものの、割れた窓ガラスで足を傷つけてしまった…」

そんなことがあると、その後の避難生活にも大きな悪影響を及ぼしてしまうのも事実です。そこで、割れにくい窓ガラスに取替えを行ったり、緊急時に足元を照らす保安灯をつけたりなど、さまざまな対策が注目を集めています。

なかには、建物でもっとも安全な場所にある一室を緊急避難所として活用できるよう改造する大掛かりなリフォームもあります。

災害時のライフラインに起きるトラブルとは?

減災・防災リフォームは身を守るのに役立つものの、「でも、そこまで必要性を感じない」と考えてしまう人もいるかもしれません。なぜ、減災・防災リフォームが注目を集めているのか、災害時に考えられるライフライン面のトラブルについて見ていきましょう。

・電気が止まる

大災害が起きたとき、電柱の倒壊や配電線が切れてることで電気が止まってしまうケースも少なくありません。また、東日本大震災では、直接的な被害を受けていなくても、”計画停電”によって日本各地の電力の供給が停止した事例もあります。

電気がなくなってしまうとさまざまな設備を活用できなくなるほか、大切な食料の入っている冷蔵庫も停止してしまうトラブルも。災害時の停電は、さまざまな設備に影響を及ぼします。

・断水する

水道は重要なライフラインのひとつですが、大災害で断水して困り果てる人も多くなっています。水道は生命維持に重要なだけでなく、シャワーやトイレなどQOLにも大きく関わりを持ちます。

給水車などで水を入手できたとしても、最優先は飲水等のため、生活の質が大きく低下してしまうのも事実です。

・家の設備が壊れる

大災害ではさまざまな衝撃から家の設備が破壊されてしまいます。上述した被害に加えて、地震による倒壊や、台風による外壁・窓ガラスの損傷、浸水被害で床が水浸しになるなどさまざまです。

また、耐震性に優れている建物でも、室内が揺れないわけではありません。

棚や冷蔵庫などさまざまな家電・設備が倒壊してしまった結果、マイホーム内での生活が難しくなってしまうケースも存在します。地震対策用の家具ストッパーを応用するなど、建物以外の耐震対策も重要です。

防災・減災に役立つリフォームの取り組み事例

自然災害に遭遇しやすい日本では、災害に遭うことを前提に建物を建築するケースがほとんどです。地震大国でも知られる日本は厳しい耐震基準により優れた耐震性を持つ建物が多くなっていますが、近年ではそれに加えてさまざまな防災・減災リフォームが注目を集めています。

シャッター

台風の多い沖縄ではシャッターの導入が進められています。台風では小石などが窓ガラスにぶつかり破損するケースも多く、シャッターを導入するだけで強風の被害を軽減しやすい点がメリットです。

窓ガラスのリフォーム

台風だけでなく、地震で窓ガラスが割れてしまうケースも存在します。破片だらけの室内を歩くのは危険なため、割れにくい・破片がでにくい防災ガラスへ換装するのもポイントです。強風・地震等によるガラスの飛散を防ぎやすくなるほか、窓ガラスが震災後も機能するため生活水準を維持できます。

集合住宅など大掛かりなリフォームが難しい場合は、飛散防止のフィルムシートを窓ガラスに貼るのもひとつの手段です。

貯湯タンク付きの家庭用の給湯設備搭載

震災直後の断水でQOLは大きく低下してしまいます。それらの影響も貯湯タンク付の家庭用給湯設備があればある程度の軽減が可能です。なかには500L以上の生活用水を保存できるタンクもあり、飲料用水も含めて1週間程度の生活を支えられます。

太陽光発電・蓄電システム

震災によって電気が止まってしまうと家電類も停止してしまい、食料が腐ってしまったり、調理ができなかったりとさまざまな問題が発生します。また、パソコンやスマホのバッテリーなど情報収集に欠かせないツールも電力は必要不可欠です。

それらも、太陽光発電・蓄電システム搭載のリフォームをしておけば、震災被害を受けた後の生活水準もある程度の維持が可能です。最低限の家電を利用できるため、自宅避難も可能にします。

レジリエンス住宅(ルーム)へのリフォーム

近年では、災害時に身を守り、その後を支えるための防災ルームが注目を集めています。建物の中でもっとも安全な位置に、備蓄食料や蓄電池LEDなど、リフォームで緊急時に必要なモノを備える専用ルームを設けます。

万が一の避難場所にもなるため、停電・断水・大きな揺れなどさまざまな被害から身を守る効果が期待可能です。

安心のために防災・減災リフォームの実施がおすすめ

自然災害の多い日本では、震災により大切なマイホームが被害を受けてしまうケースも少なくありません。だからこそ、防災・減災リフォームで被害を最小限に食い止めることが大切です。

震災時に身を守るだけでなく、震災後の生活を支えられる防災・減災リフォームを行えば、震災直後のQOLもある程度の水準を維持できます。「台風や地震、浸水などさまざまな自然災害に備えておきたい」とお考えの方は、ぜひ一度防災・減災リフォームをご検討してみてはいかがでしょうか。